介護を必要とする高齢者の生活を支援するとともに、介護に携わる介護職員や家族の負担軽減に貢献する先端機器およびシステムを介護ロボットと呼びます。

デンマークやオランダをはじめとした福祉先進国では、すでに普及が進んでおりその有用性が実証されつつあるのも事実です。日本においても国を挙げて開発・普及を後押ししており、2018年度の介護報酬改定では、介護ロボットの活用による人員基準緩和や新しい報酬加算を導入するとしています。

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介護ロボットを導入する方法と費用は?

高価な介護ロボットを有効活用するには、導入前の入念な準備が欠かせません。

まずは、介護ロボットの導入目的を明確にし、全職員に周知を図ること。「介護は人がするもの」等と介護ロボットに批判的な意見をもつ介護職員も少なくないことから、介護ロボットの導入が介護職員の負担軽減や介護サービスの質向上につながることをしっかり理解してもらう必要があります。

また、導入計画では、目的に応じた介護ロボットの候補機種選定や詳細情報の収集、費用対効果の検討を行った上で、導入スケジュールや導入による効果の検討方法についても立案しておくことが大切です。

介護ロボット導入にかかる費用については、購入かレンタルかによって大きく変わってきます。また、導入時は本体代の他に介護ロボットの維持・保守にかかる費用も念頭に入れ予算だてしておきましょう。

主要な介護ロボットの費用はどれくらい?

厚生労働省および経済産業省は、今後の開発等の重点分野として、次の6分野を挙げています。

  1. 移乗介助(移乗介助に伴うパワーアシスト機器)
  2. 移動支援(安全な外出・歩行を支援する機器)
  3. 排泄支援(衣類の着脱支援、排泄物の処理、排泄タイミングの予測と誘導を可能とする機器)
  4. 見守り・コミュニケーション(見守り・転倒検知センサー、コミュニケーション機器
  5. 入浴支援(浴槽出入り動作を支援する機器)
  6. 介護業務支援(ロボット技術を用いた介護業務における情報収集・蓄積・分析可能な機器)

以下に、代表的なロボット名とその価格について紹介します。
(※各製品の価格は2018年3月時点、当社調べによるものです。詳細は各社へお問い合わせください。)

移乗介助型ロボット:HAL®

(腰タイプ購入価格:2,000,000円~(税込)/レンタル価格:契約期間・台数により変動)
介助者が腰に装着することにより、移乗動作介助や抱え上げ介助をアシストし、介助に伴う足腰への負担を軽減する機器。脳から筋肉へ向けて発信される生体電位信号を読み取ることにより、介護者の動作に合わせたアシストを行うため、普段通りの動き方で無理なく介助できます。

移乗介護型ロボット:ロボットアシストウォーカー RT.2

(購入価格:118,000円(税抜)~)
パワーアシスト機能付き電動歩行器。上り坂でのパワーアシストはもちろん、路面状況や速度、ハンドルの動きを察知し、どんな場面でも安全に歩行できるようサポートします。

排泄介助型ロボット:ラップポン・ブリオ

(購入価格:92,500円(税抜)~)
排泄処理ユニットが搭載されたポータブルトイレ。消臭性にすぐれ、介護者の負担・不快感を軽減することができます。自分の排泄物を見られたくない、掃除をしてもらうのは申し訳ないといった利用者の気持ちにも配慮されます。

見守り・コミュニケーション型介護ロボット:PALRO

(購入価格:670,000円~(税抜)/レンタル価格:月額30,000円(税抜)~)
AI機能を搭載。ダンスや体操を披露したり、相手の表情を読み取ったりしながら、途切れのない自然な会話を楽しむことができます。運動機能の維持や認知機能低下の予防にも活用できます。

入浴支援型ロボット:wells

(価格:1,400,000円(税抜))
浴槽への出入り動作と、脱衣室から浴室の出入り、衣服の着脱などの一連の動作を利用者の身体状況に合わせて介助できる機器。利用者は、着座したまま安楽な入浴姿勢を保持することができます。移乗介助の回数が減るため、介助者負担の軽減にもつながります。

介護ロボット導入支援事業を活用する

都道府県によっては、介護ロボット導入費用の一部を助成し事業所の負担軽減を図る事業を行なっている場合があります。例えば、埼玉県が行っている事業では、1つの機器につき所要経費の2分の1(上限10万円)を補助しており、多くの介護施設・居宅系事業所・介護予防サービス事業所で活用の実績があります。介護ロボットの導入を検討している事業所はぜひ一度、事業所のある都道府県の情報を調べてみることをお勧めします。

介護ロボットの導入には大きな費用がかかるため、事業所運営にかかる他の固定費を抑えるなどして事業所の経営を安定させることをお勧めします。
固定費削減の方法としては、水道光熱費の削減や印刷物・事務用品にかかるコストカットなどが挙げられます。また、介護報酬請求業務に欠かせない介護ソフトの見直しにより固定費を大幅に削減できる可能性もあるでしょう。この機会にぜひ、使いやすくリーズナブルな料金が魅力の「楽すけ」の導入をご検討ください。

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こちらの記事を読むとより介護事業所における経費削減について詳しくなります