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介護事業所を立ち上げたものの、多忙さのあまり営業活動に費やす時間がとれず、なかなか利用者が増えないといった悩みはよく聞かれます。ウェブサイトを使ってサービス内容や理念を発信するというのもひとつの方法ですが、多くの住民に選ばれる事業所として存在感をアピールするには、近隣の
地域包括支援センター や居宅介護支援事業所、医療機関への訪問活動が必須と言えるでしょう。ここでは、限られた時間の中で、効率良く営業活動を行っていくためのポイントを説明します。

ブランディング戦略

介護事業におけるブランディングとは、事業所が提供する 介護サービス の認知度や信頼度を高め、地域住民にとって価値のある事業所として成長していくための戦略を意味します。ブランディングをする前提として、サービスを提供する地域の特性や、住民のニーズに関する情報収集が欠かせません。ブランディングに優れた事業所は、地域住民だけではなく、ケアマネージャーの目にも止まりやすくなるため、新規利用者の安定的な確保にも繋がります。

ブランディング戦略を立てる際、「事業所の独自性」をいかにして演出するかが最も重要なポイントになります。独自性とは「入浴サービスと言えば、○○介護事業所」、「24時間巡回サービスなら、○○介護事業所」などと言われるような、類似したサービスを提供する同業者との差別化を図る「看板」のようなものを指します。

ブランディング戦略では、事業所の独自性を従業員だけが共有するのではなく、地域住民に分かりやすく伝え、親しみを持ってもらうよう工夫しなければいけません。ロゴマークやイメージキャラクターの作成、ユニフォームや事業所の内装デザインの統一などが、その一例として挙げられます。

関連業種への営業活動

要介護または要支援認定を受けた高齢者の多くが、地域包括支援センター や居宅介護支援事務所、医療機関などに在籍するケアマネージャーを通じて、各種介護サービスを利用しています。そのため、近隣のケアマネージャーとの関係性が、新規利用者の獲得や収益を左右すると言っても過言ではありません。

ケアマネージャーは、特定の事業所に偏って利用者に紹介するといったことはしませんが、より信頼の置ける事業所を優先してすすめる傾向にあります。営業活動では、介護サービスの内容だけではなく、従業員の人員配置や緊急時の連絡体制も含めて、信頼につながる情報を伝えるよう心掛けましょう。

また、地域の民生委員や高齢者サークルなどとの関わりも重要です。在宅介護サービスに対する潜在的ニーズの把握や、将来的な利用者獲得へも繋がっていきます。介護のことで「何か困ったことがあれば、相談に乗ってくれる事業所」として、地域の方々に広く知ってもらえるのが理想的でしょう。

営業活動では、事業内容や理念が分かりやすく記載されたパンフレット、または事業所名入りの卓上カレンダーなどの販促物を持参すると、より相手の印象に残りやすくなります。販促物は、事業所のコンセプトに合ったデザインを心掛けて作成し、積極的に事業所の存在をアピールするようにしましょう。